手作りのいちごジャムは果肉感をごろっと残して

いちごの季節がやってきた。

スーパーの棚には「とちおとめ」に「あまおう」に「紅ほっぺ」に……真っ赤でかわいらしい実が並び、店頭にふわりと甘酸っぱい香りを放っている。つやつやした愛らしいいちごがずらりと並んでいるのを見ると、「ああ、春が来る」と思う。

いちごの旬は3~5月といわれるが、実はその前、冬から春にかけてがいちばんおいしい。2月の雪国でハウス栽培のいちご狩りをしたことがあるが、寒さの中でじっくりと甘みを蓄えたいちごは、練乳も砂糖もいらない甘さとみずみずしさで、それはそれはおいしかった。あれ以来、出始めのいちごは値段も高いが、それだけの価値があるのだと思っている。

小さい実は手作りジャムに

わが家では、春先までのいちごは生のまま、砂糖や練乳をかけて食べている。子どもたちは砂糖と牛乳をかけ、いちごを潰しながら食べるのがお気に入りで、この時期の夕飯のデザートによくリクエストされる。

生のいちごを存分に楽しんだ後、4月ごろからは、いちごを加工して楽しむ。実が少しずつ小さくなり、手ごろな値段になってきたいちごは、ジャムやシロップ、ゼリーなど、いちごの香りと色を生かしたお菓子にぴったりなのだ。

特にいちごジャムは砂糖とレモンだけで簡単にできるので、毎年作っている。せっかくのかわいいいちご、果肉感の残るフレッシュなジャムにしたい。甘すぎず、ごろっといちごの形を残した“コンポート(シロップ煮)”風のいちごジャムが、最近のお気に入りだ。

瓶に詰めた、コンポート風のいちごジャム

<いちごジャムの作り方>

◇材料◇
いちご 2パック(小粒のもの450~500グラム)
砂糖 150グラム
レモン汁 1/2個分

ジャムを作るプロセス

1. いちごは洗って水気をふき、ヘタを取って鍋に入れる
2. 1に砂糖をまぶし、レモン汁を加えて1時間程おく
3. 2を強火にかけ、焦げないようそっと混ぜながら、砂糖が溶けるまで煮る
4. 2の砂糖が溶けていちごから水分が出てきたら、すぐに火を弱~中火に落とす。アクを小まめに取ると、仕上がりがきれいになる
5. アクを取りながら、水分が半量(いちごがひたひたになるくらい)に減るまで30分程煮る。この時は混ぜずにアクを取るだけにする
6. 水分が減ったら火を止めて出来上がり。煮沸消毒した瓶に入れて冷蔵庫へ

「え? これじゃあただのコンポートじゃない?」というくらいの水分量、見た目もさらっとしたままで大丈夫。時間が経つととろみが出てくるのだ。いちごはつぶさずそのままにしておく。

ジャムと牛乳を混ぜていちごミルクに

色合いもかわいい、いちごミルク

いちごの果肉がごろっと残っているので、ヨーグルトにも、アイスクリームにも合う。牛乳に混ぜていちごミルクにもできる。

そのまま食べてもおいしいし、パンに塗る時は実を崩せばジャム状になる。コンポートも兼ねるジャムなのだ。ごろっとした果肉は見た目もかわいい。

トーストにもいちごジャムを塗って

日持ちは開封前なら冷蔵庫でおよそ1カ月。開封後は10日~2週間程度。砂糖が少ないので市販のジャムに比べると短いが、いろいろに使えるジャムなのであっという間になくなってしまう。でも、手作りジャムだから、短期間にいろいろ使える、くらいのほうがちょうどいいのではないかと思っている。

いちごに練乳を添えて

いちごといえば、何度か苗から育てたことがある。春の園芸店で、真っ赤なかわいらしい実を想像しながら苗を買い、家で鉢植えにした。意外と簡単に実がなったのだが、喜んだのもつかの間。まだ薄紅色の実のうちからあちこち虫に食われ、ボコボコになってしまった。

「そりゃあね。そんなに甘いにおいさせて、かわいい見た目なんだから虫がつくのも仕方ないよね。虫には気を付けなくちゃね」。近頃おしゃれに目覚め、服だ何だと気にするようになった小学5年生の娘に向けて意味深にそう言ってみたが、まだまだ言外に込めた意味をわかろうはずもない。「母ちゃん、育てるの下手なんだよ」。娘にそう言われ、「そうだね」と深くうなずく私なのだった。

  • この記事をシェア
トップへ戻る