手作りのすし酢でおいなりさんをよりおいしく

P1000123いなり寿司は買うものだと、ずっと思っていた。お寿司屋さんやスーパーのお弁当売り場、和菓子屋さんで。太巻きの横に入ったパック詰めのものや、バラ売りを竹の皮で包んでもらったもの。そうやって売られているものを食べてきたから、自分で作ろうなんて思いもしなかった。

油揚げを切って開くこと。それをしっかりと甘辛く煮ること。煮上がった油揚げに酢飯を詰めること……どの作業も考えるだけで面倒だし、売っているもので十分おいしいのだから買えばいい。そう思っていたのだ。

手作りのすし酢は・・・

でも今では、いなり寿司は「自分で作るもの」になった。

そのきっかけは、すし酢だった。もともとお酢のツンとした香りがあまり得意でなく、市販のすし酢だと味が強すぎると感じることがあった。ところが家で手作りしてみたら、意外なほどおいしいのだ。米酢ときび砂糖に塩少々を加えて小鍋で煮詰めるだけの簡単なレシピなのだが、きちんと煮立てることでツンとしたお酢の強さが消え、きび砂糖のやさしい甘さで、酢飯がバツグンにおいしくなる。

・すし酢の作り方

米酢100ミリリットルときび砂糖大さじ3、塩小さじ1を鍋に入れて火にかけ、きび砂糖と塩が溶けたら冷まして保存瓶へ。

きちんと煮立てればツンとせずやさしい味わいに

きちんと煮立てればツンとせずやさしい味わいに

すし酢を作るようになってから、家で手巻き寿司をすることが増えた。普段よりもたくさんご飯を炊いてすべて酢飯にするのだが、これがびっくりするほどの人気。たまごやイクラ、マグロが残ることはあっても、ご飯が残ることはないのだ。

この酢飯でいなり寿司を食べてみたい、甘く煮たお揚げと一緒に食べたらおいしいだろうな――。いなり寿司を自分で作る気になったのは、だから自然な流れだった。作ってみれば本当に簡単で、お揚げも菜ばしでコロコロと転がせばパカッと開くし、だしとしょう油とみりんときび砂糖で煮るのもあっという間。一晩待てば、しっかりと味のしみたおいしいお揚げが出来上がった。

手作りのすし酢で作った酢飯は格別のおいしさ

手作りのすし酢で作った酢飯は格別のおいしさ

休日のお昼ご飯に、丸めた酢飯をお揚げでくるみ、いなり寿司を作った。酢飯には風味付けのごまだけ。じゅわっとしたお揚げの甘辛さを味わうのに、この酢飯以外、余計なものはいらない。お皿に盛られたいなり寿司は、あっという間に家族のおなかに収まった。

・いなり寿司の作り方

1.鍋にだし汁120~130ml、きび砂糖大さじ2と1/2、しょうゆ大さじ2と1/2、みりん大さじ1と、半分に切って開き油抜きした油揚げ4~5枚分(半分に切ったもの8~10枚)を入れ弱火で煮る。
2.汁気がなくなったら火を止めて容器に入れて冷まし、途中で上下をひっくり返す(半日程おくと味がさらにしみる)。
3.味のしみたお揚げに、いりごまを混ぜて丸めた酢飯を詰めて出来上がり。酢飯のすし酢量は、味をみながらお好みで。

作り置きのおかずにも

このすし酢、お寿司以外にもピクルスやサラダなどいろいろ使える。スライスしたタマネギをすし酢と塩コショウであえればマリネになる。塩もみしたニンジンにすし酢とごま油、いりごまをあえるだけで中華風のニンジンサラダができる。作り置けばお弁当にも入れられるし、副菜にもなるので、わが家では今や定番の常備菜になっている。

すし酢は一度作っておけば便利に使える

すし酢は一度作っておけば便利に使える

娘はよく「明日のお弁当は、おいなりさんがいい」とリクエストする。そのたび私はほくそ笑む。娘の中でいなり寿司は「買って食べるもの」ではなく「家で作って食べるもの」になっているのだろう。やりたがりの娘が、家族のために作ってくれる日も近いかもしれない。酢飯もお揚げも簡単だ。作らないなんてもったいない。

休日、おいなりさんを持った娘を遊びに送り出し、自分もお弁当箱に入れて近くの川べりへ行った。日のよく当たる土手に一人座っていなり寿司をかじりながら、何だか満ち満ちた気持ちになったのだった。

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