カウントダウンで迎える、にぎやかなイタリアの新年

1

いろいろなことがあった2016年も終わり、新しい年が始まった。

温暖化の影響なのか、この冬のフィレンツェはいつにない暖かさだ。数年前まで、12~1月は昼間の最高気温が5度、最低気温は零下ということがよくあった。でも最近はそこまで下がることはほとんどないし、雪も4年前からまったく降っていない。

冬らしさには欠けるけれど、街歩きには快適な気温。心なしか、ライトアップされた街を楽しむ人出もいつもよりも多いようだ。

大みそかは友人と過ごす

大みそかは除夜の鐘を聴きながらそばを食べて、元日は新年のあいさつ回りや初詣でと、静けさが漂う日本の年越し。ところがここイタリアでは、新年はにぎやかに迎える。

12月25日のクリスマスは家族で過ごすが、大みそかは友人同士で集まる日だ。12月31日はバスも午前中のみ、お店も早々に閉まってしまう。街は何だかソワソワして、皆、急ぎ足で家に向かう。チェノーネと呼ばれる豪華なディナーを盛大に楽しみ、そのままカウントダウンをするのがお決まりのパターンだ。

中央市場の食料品店はチェノーネの食材も豊富

チェノーネの買い出しはいろいろな食材がそろう中央市場の食料品店へ

メニューは魚が一般的。クリスマスは肉中心なので、大みそかには魚となるらしい。レストランに出掛けることもあるが、ホームパーティなら1品ずつ料理を持ち寄る。それに伝統的なお菓子パネットーネと発泡ワインのスプマンテも欠かせない。

年越しにはブドウを12粒

日本の年越しそばのように、イタリアでも縁起を担いで必ず食べるものがいくつかある。

その一つはブドウ。スペイン発祥の習慣で、カウントダウンの前に12粒食べると縁起がよいと言われている。

イタリアではぶどうの種類が豊富

イタリアではブドウの種類が豊富

金運を呼ぶのは、金貨に形が似ているレンズ豆。コテキーノという大きなサラミソーセージに添えて食べる。実が粒状のザクロも金運がいいらしい。

食べ物ではないけれど、赤い下着も年越しに着けると縁起がよいらしく、年末の市場の屋台には笑ってしまうほど見事に真っ赤な下着がぶら下がっている。実際に買ったという話は聞いたことがないが、あれだけ売られているのだから買う人も多いのだろう。

カウントダウン後は大騒ぎ

ディナーの後は、どの家でもテレビをつけてカウントダウンを待つ。1年前の大みそかには、国営放送で実際よりも早くカウントダウンがされてしまったという、イタリアらしい放送事故があった。フィレンツェでは、夜11時ごろから場所を変えてカウントダウンをする人の車で道が大渋滞する。ヘタをするとカウントダウンの瞬間に渋滞に巻き込まれてしまうこともあるが、そんな時は車を止めて、道路でカウントダウンだ。

年が明けたらスプマンテのせんをポンポンと開け、「アウグーリ!」と乾杯をしながら周りの人とハグ。知らない人同士でも、その場に居合わせたらキスで新年をお祝いする。

4

街は新年もライトアップされている

外では爆竹を鳴らしたり花火を打ち上げたりするのが伝統だが、毎年ペットが爆竹の音に驚いて逃げ出したりトラウマになってしまったりと被害が深刻なため、今年はイタリア各地で禁止になったようだ。私も南イタリアで大みそかを過ごした時、あまりに大きな音に悩まされたから、スプマンテのせんを景気よくポンと開けるくらいでよいと思う。

イタリアでは今年もまたにぎやかな新年を迎えた。2017年が平和でよい年になりますように。

  • この記事をシェア
トップへ戻る