フィレンツェの街がそわそわするクリスマス

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フィレンツェでは伝統的に、12月8日、聖母マリアの「無原罪のお宿り」という宗教祭日にクリスマスの飾り付けをする。昼間はそれぞれの家庭でクリスマスツリーを飾り、夜には、街の中心にある大聖堂の真横に立てられたクリスマスツリーの点灯式へ。この大きなツリーがライトアップされると、街は一気にクリスマスムードになる。

クリスマスは“きっちり”

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幼子の人形が置かれるのは24日のミサの後

ツリーの下には、プレセーピオと呼ばれるキリスト誕生のシーンを再現した馬小屋が置かれ、聖母マリア、聖ジュゼッペ、天使、牛や馬などをかたどった等身大の人形が飾られる。フィレンツェ郊外のインプルネータという、テラコッタで有名な村で作られた人形だ。

キリスト誕生のシーンを再現するはずなのに、飼い葉桶の中にはまだ幼子キリストはいない。幼子の人形が置かれるのは、12月24日の深夜に行われるミサの後なのだ。普段は“適当大国”のイタリアだけれど、こんなところはきっちりしているのが面白い。

イタリアでは「クリスマス」は「ナターレ」

クリスマスは人々の距離感も

イタリア語でクリスマスはNatale(ナターレ)。12月の2週目くらいから、この言葉をよく聞くようになる。仕事先でもお店でも、別れ際に「ブオン・ナターレ!(いいクリスマスを)」とあいさつをするのだ。普段はビジネスライクな関係でも、このあいさつの時だけはぐっと距離が近くなり、男性も女性も両ほほにキスをする。仕事のメールにも、最後に「ブオン・ナターレ」という言葉を付ける。

クリスマスを楽しみに待つ気持ちが、ちょっとだけ周りの人に優しくなれる魔法をかけてくれるようだ。

プレゼントで大渋滞?

12月前半の週末は、プレゼントを買う人で車は大渋滞。街を行く人も、大きなショッピングバッグを抱えながらプレゼント探しに夢中だ。この時期はうっかり車で駅の辺りに行ってしまうと、渋滞に巻き込まれてたいへんなことになるので、街の反対側に車を止めて徒歩で移動することにしている。

クリスマス

街はクリスマスを祝う人であふれかえる

今日もちょっと離れた地下駐車場に車を止めて、仕事先に向かった。その道中、赤い服を着た白髭のバッボ・ナターレ(サンタクロース)が小さなお菓子屋さんの店先のベンチに座っていた。お店の客寄せなのか毎年恒例で、今年もバッボ・ナターレは子どもたちに囲まれている。「来年もいい子にするかい?」と聞かれて、ブンブンと大きくうなずく子どもたち。こんなほほえましい光景に出合うこともある。

街の南東にあるサンタ・クローチェ教会前の広場では、クリスマスマーケットが開かれる。ドイツや北欧の雑貨、食料などの屋台が並び、クリスマスの雰囲気がさらに盛り上がる。ホットワインやシナモン入りのお菓子など、イタリア人にとっても少し異国情緒のある食べ物や飲み物が楽しめるイベントだ。

パネットーネは自家製を

12月に入ると、スーパーの店先にはパネットーネの山が現れる。最近では日本でもよく知られるようになったが、イタリアではクリスマスに欠かせないお菓子だ。ふんわりと発酵させ卵をたっぷり使ったブリオッシュ生地に、フルーツの砂糖漬けを練り込んで焼き上げたもの。粉砂糖をまぶし、切り分けて食べる。

パネットーネは街のパン屋さんやお菓子屋さんでも売られている。スーパーで売られている大手製菓メーカーのパネットーネは1個3〜5ユーロ(およそ350~600円)なのに対して、パン屋さんでは1個25〜30ユーロ(およそ3000~3700円)。

手作りならではのおいしさだ

手作りならではの自然のおいしさがある

でもパン屋さん自家製のパネットーネは、工場で大量生産されたものより断然おいしく、後味がとてもいい。添加物が入っていない、手作りならではの自然なおいしさだ。わが家では毎年、1個だけおいしいパネットーネを買うことに決めている。

今年も早速、大好きなフィレンツェのお菓子屋さんで、自家製のパネットーネを買った。赤い大きなリボンが付いたパネットーネの箱を見ながら、私たちも、今年のクリスマスを楽しみにしている。

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