頑固に焦げ付く鉄のフライパンを再生させるには

先日、鉄のフライパンの魅力と、日々の扱い方について「育てるように使う、鉄のフライパン」でご紹介した。鉄のフライパンは、使用後はすぐによく洗い、しっかり乾燥させていればさびにくい。

とはいえ、丁寧に扱っていてもまれにさびが出てしまうことがあるし、使っているうちに焦げグセがついてくることもある。そんなとき、鉄のフライパンなら、磨き直して何度でも元の状態に戻すことができるのだ。

根気はいるがピカピカに

私はさまざまな種類の鉄のフライパンを使っているが、その中の一つ、中華鍋がいつしか調理の際によく焦げ付くようになった。卵を炒めると鍋肌にこびりつくし、チャーハンを作ってもご飯がくっついてパラリと仕上がらない。焼きそばを炒めても、焦げ付いてしまう。

調べてみると、これは、落としきれていなかった汚れや焦げが、うっすらと表面に積もってくるのが原因だとわかった。確かによく見ると、中華鍋の表面は茶色っぽくなっていて、さびやコゲの色にも見えた。

あるとき思い立って、中華鍋の焦げをすっかり落としてベストな状態に戻す、「再生作業」に挑戦してみた。始めるまでは腰が重かったが、いざ始めてみると、無心に手を動かしていた。かなり根気のいる作業だったけれど、徐々にピカピカになっていく様子を見るのが楽しくて、一気に作業を終わらせることができた。そして、まるで新品のような、でもしっかり油がなじんだ使いやすい中華鍋を手にすることができた。

縁までしっかり焼き切る

焦げグセがついた鉄のフライパンを再生させる方法をご紹介したい。

まずは火にかける

まずは強火にかける

まず、フライパンを強火にかけ、表面の汚れを完全に焼き切る。初めのうちはモクモクと煙が上がって驚くかもしれないが、鉄のフライパンなら大丈夫。火花が出ることもあるけれど、汚れが炭化すると落ち着いてくる。15分ほどかけ、フライパンを傾けながらまんべんなく火を当て、縁までしっかりと焼き切る。

しばらく置いて完全に冷めたら、今度は表面の焦げを削り落としていく。もし汚れが厚く固まっている部分があるようなら、金属のヘラなどを使ってガリガリとこそげ落とす。そして、粗めのサンドペーパーを使って、鉄の銀色の肌が見えるまで、ひたすらゴシゴシ削っていく。

サンドペーパーを使って削る

サンドペーパーを使って削る

私は、家にあった150番のサンドペーパーを使ったが、より目の粗い80番くらいのものの方が、早いかもしれない(サンドペーパーは、番号が若いほど目が粗い)。

黒い粉がたくさん出るので、外での作業がお勧め。私はベランダに新聞紙を敷き、厚手のクラフト用手袋と、マスクを着用して作業した。ここがいちばんの重労働で、30cmの中華鍋で、1時間半ほどかかった。裏側の汚れも、熱が均等に伝わる妨げになるのでしっかり磨くのがベストだが、大変なら汚れの気になる部分中心でもいい。

次に、クレンザーを振りかけ、水を含ませたスポンジで磨いていく。私は家にあった粉末のクレンザーを使った。5分ほど磨いたら、きれいに水洗いする。水気をふき取ると、同じものだとは思えないほどに、フライパンは銀色に輝く。これまでの頑張りが報われる瞬間だ。

銀色に輝くフライパン

銀色に輝くフライパン

今度はいよいよ仕上げの作業。磨き上げたフライパンを、中火にかけて焼いていく。数分すると、火の当たっている部分が焦げたように茶色くなり、さらに焼くと、青っぽい玉虫色に変化していく。フライパンを傾けながら、全体が均等に玉虫色に光るまで焼く。

この玉虫色は「酸化被膜」が形成された証拠。酸化被膜は、鉄がさびるのを防いでくれるそう。また酸化被膜があることで油なじみがよくなり、焦げ付きにくくなるそうだ。

全体が均等に玉虫色に光るまで焼く

全体が均等に玉虫色に光るまで焼く

最後は「油慣らし」をする。フライパンの粗熱が取れたら、多めの油を注いで弱火で5分ほど、煙が出ないように注意しながら加熱する。この油は調理に再利用できるのでオイルポットに戻し、残った油をペーパータオルなどで全体になじませたら完成。

食材が滑るように焼ける

全体が玉虫色になったフライパンは、まるで新品に生まれ変わったようで、光沢があり美しい。2時間以上にわたる努力の賜物だ。

もし、ほんの一部に焦げグセが出た時や、小さなさびだけの場合、すべての工程を踏まなくてもいい。汚れた部分をクレンザーでよく磨き、水洗いしてから煙が出るまで空焼きし、その後、弱火で油慣らしをする。これだけでリセットできることもある。

弱火で油慣らし

弱火で油慣らし

美しくよみがえったフライパンで調理すれば、焦げ付きやすかったのがうそのように、食材が滑るように焼けるようになる。時間をかけ、手をかけて使いやすくなった道具には、愛着が湧き日々の料理もより楽しくなる。

そして、よみがえったフライパンのよさを最大限に引き出し、使いやすさをキープするためには、日々の扱い方が重要になってくるので、ぜひ前回の記事「育てるように使う、鉄のフライパン」もお読みいただければと思う。

また、黒いコゲが積もり、さびついたフライパンが家の片隅に眠っているなら、ぜひこの再生作業を試してみてほしい。

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