すがすがしい気持ちになる、ほうき掃除

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私の実家で飼っている猫は、掃除機の音がするとどこかへ隠れてしまう。掃除機の姿を見ると驚いて逃げていく。それくらい掃除機が苦手だ。

私は猫ではないし、掃除機から逃げも隠れもしないけれど、それでもあの大きな音はやはりちょっと苦手である。コンセントのコードも邪魔だし、何度もコンセントを抜いたり差したりすることもおっくう。さらには、掃除機の掃除(フィルターを外して洗ったりすること)も……。と、要するにとても面倒くさがり屋なのである。

一つのものを大事に使う

どうにか、掃除をラクに楽しくできないかと思い、いろいろ探していたときに「ほうきは音が出ずに静かに掃除ができる」ということを聞いた。そういえば、小学校から高校まで学校の掃除といえばほうきだった。でも高校を卒業してから、ほうきはいつのまにか私の生活からなくなってしまった。

そうだ、ほうきを使ってみよう。そう思い、京都の三条大橋の西詰にある「内藤商店」というほうき屋さんで「棕櫚(しゅろ)ほうき」を一つ購入した。IMG_8259ここのお店は江戸時代から続く老舗で、私もつねづね「いつもほうきがぶら下がっているお店」という感じで認識はしていた。なので、必然的にほうきを買うならここで買おう、と思っていたのだ。

一つ一つ職人さんが手作業で作ったほうき。「ていねいに使えば10年20年と長く使えるよ」お店の方が教えてくれた。一つのものを長く使う、というのも今私が暮らしの中で大切にしたいこと。

棕櫚ほうきは、穂先を立て、床をなでるようにしてホコリを集めていく。決して乱暴に掃いたりしてはいけない。わずかな力だけでほうきを動かす。掃除機はどうしてもガサツに力任せに動かしていたこともあったので、この動作も私に「ていねいに動く」ということを教えてくれた。

赤ちゃんも起きない

ほうきで掃くときの「サッサッ」という音はとても心地いい。気持ちまですがすがしくなる。家族や赤ちゃんが寝ているようなとき、掃除機をかけてしまうと起こしてしまうが、ほうきだととても静か。

音を気にせずに掃除ができるということは、小まめにいつでも掃除ができるということ。わが家では夜寝る前にキッチン周りとリビングを軽く掃いておく。音が出ないので近所にも迷惑にならず、朝もスッキリとした部屋で一日を始められる。

掃除機で掃除をしていた頃は、週に一度、まとめて掃除をしていたが、今は小まめにちょこちょことほうきで掃いて、汚れ自体をためないように気をつけている。IMG_8260ほうきはそんなこまめ掃除にもとてもよい。ゴミやホコリが気になったらちょっとほうきを取ってササっと掃いてしまう。これが重い掃除機だと、押し入れから出してきて、コンセントにプラグを差して……と結構面倒な作業になる。

苦手な掃除自体を軽やかな存在にしてくれたのが、私にとって棕櫚ほうきなのである。棕櫚ほうきはお手入れもさほど必要でなく、日の当たらない壁にかけてあるだけ。

ズボラでガサツな私に、少しの「丁寧さ」を教えてくれた棕櫚ほうき。棕櫚ほうきを使いだしてから、掃除がとても楽しくなった。

静電気が起こらないちりとり

そして棕櫚ほうきとともに使っているのが、「はりみ」というちりとり。厚紙を張り合わせ、柿渋を塗って仕上げた紙製のちりとりだ。IMG_8258プラスチックのちりとりを使っていた時は、使うたびに静電気が起こって、ちりとりからゴミがゴミ箱に落ちない、ということがストレスになっていた。はりみは静電気が起きず、ゴミをすっとゴミ箱に落としてくれる。

棕櫚ほうきとはりみ、機能も見た目もとてもシンプルで、出しっ放しにしていても目にうるさくない。機能がたくさんついた最新家電は、私はなかなか使いこなせないことも多く、こういう昔から愛されてきたシンプルな道具のよさが少しわかるようになってきた。

今では毎日お世話になっている家事の相棒である。

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