風鈴とお香で夏を涼しく過ごす

今、この文章を書いている後ろからも「チリン、チリン」と涼しい音が響いている。窓辺に吊るした風鈴の音。「夏が来る」と感じる瞬間だ。

私は冷房の冷たい風が苦手で、家にいる時は極力エアコンを使わないようにしている。

とはいっても、暑いものは暑い。なので、少しでも涼を感じられるような工夫を取り入れている。

懐かしい思い出とともに

その一つ、音で涼を感じるための工夫が、風鈴。

夏の風物詩である風鈴は、私にとってなじみ深い存在だ。祖母の家が京都の割と真ん中にあって、そのあたりを歩いていると、いろんなところからチリーンという音が聞こえてきた。もちろん祖母の家にも風鈴がぶら下がっていたし、そのそばで、風呂上がりに浴衣を着た祖母が「暑い暑い」とうちわをあおいでいた姿も懐かしい(祖母は寝るとき浴衣で寝ていた)。

懐かしい思い出とともにある風鈴の音。結婚して、東京に住むことになって、新居にも一つ欲しいなと思っていた。

そんなとき、富山出身の夫の母から、とても素敵な風鈴をもらった。なんでも、富山県の伝統産業「高岡銅器」の技術で作られた真鍮の風鈴だという。

「能作」というメーカーが作った風鈴は、私の思っていた風鈴とは少しイメージが違った。だが、そのつるんとした見た目がとても美しい。シンプルで無駄のないデザインで、現代のインテリアともなじみやすい。ゆらゆらとゆれる短冊を見ていると、目でも風を感じられる。

音色が心地いい

そして、見た目に劣らぬ美しい音色。澄み切った、透き通るような音色が、部屋の中に涼しさを運んでくれる。「あ、いい音ですね」。わが家に来たお客様も、窓が開いている日はだいたい風鈴の音に気づいてくれる。

風鈴をはじめ、心地よい音色には、人に心地よさを与えるリラックス効果があるのだそう。私はヨガのインストラクターをしていて、レッスンでもティンシャという音の鳴る道具を使うことがあるのだが、その音色はとても心地よく、癒たされる。

仏具のおりんもそう。「チーン」という音を聞くとなんとなく心が静まったりすることがある。風鈴にもきっと同じような効果がありそう。

実際、風鈴の「チリーン」という音が聞こえると、心がほどよくゆるむ。リラックスすると、暑くてイライラしていたのが少し落ち着くから不思議だ。

ただし、風の強い日はずっと鳴りっぱなしになってしまうことにもなるので、近隣の方のためににも風鈴を外しておくのがマナー。

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暑さしのぎに、もう一つ取り入れているものがお香。こちらは、香りから涼を感じる工夫。

夏のじめじめっとした部屋の中では、洗濯物の生乾きのにおいだったり、汗のにおいだったりがこもりがち。そんなとき、お香の香りが、部屋をすっきりとさわやかな空間に変えてくれる。リラックス効果もあるというから、一石二鳥。

季節に合わせて香りを選ぶ

夏にオススメの香りは、森林系の香りや柑橘系、白檀。私がずっと定番で使っているお香は「リスン」というお店のもの。お店では1本ずつ香りを確かめてから買うこともできるし、スタッフの方が丁寧に相談にも乗ってくれる。

夏によく使うのは、「水と緑」「森林」「グレープフルーツ」という名前のお香。お店のホームページをのぞくと、お香一つ一つにイメージストーリーが付いていたり、どの季節にオススメかというチャートなども記載されている。季節に合わせて香りを選んでみるのもよさそう。私事だが、昨年、母が亡くなった。わが家でも手を合わせる空間を作ろうと思い、小さな祭壇を用意した。そこで使っているお香もリスン。リスンのお香はお仏壇用というわけではないのだが、涼しげな香りを、母も楽しんでくれていると思う。

風鈴にお香、どちらも即効性はないけれど、私にとって夏には欠かせないもの。熱中症の予防には、エアコンと上手に付き合っていくことも大切。ただ、いつもエアコンに頼り切ってしまうと、体の機能だけでなく、感性の部分までもが鈍くなってしまうような気もしている。

風鈴は耳と目、聴覚と視覚で感じる涼、お香は鼻、嗅覚で感じる涼。人間が本来から持っている五感を十分に使って、夏の暑さを感じながら涼を探す工夫をするのも、面白いのではないだろうか。IMG_7501

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