悩める厄年世代「神社のお札をどうすべき」

Photo by MARIA

女性は30代になると、神社へお参りすることが増える。33歳、37歳と2度も厄年があるうえ、子どもが生まれれば安産祈願、お宮参り、七五三が続く。

そこで意外と困ってしまうのが、“お札の置き場所”。あまりなじみもなく、どうしたらいいのか。神社でお札(正しくはお神札)をもらっても、きちんと扱えている人は、ほんの一握りかもしれない。

夫婦と子どもだけで賃貸マンションに住むというスタイルが増え、伝統的な神棚を自宅に持つのは難しい。「とりあえず実家に預けている」(35歳女性)、「冷蔵庫に貼っている」(29歳女性)という人が多く、インテリアにも合わないのでたんすの肥やしになっていることもある。

お参りの度に“引き出しの中のお札”を思い出し気まずさがよぎる、だからお札はもらわないという人もいる。本厄を迎えた会社員の女性(36)は「うちには神棚がないのでしまいっぱなし。お札を粗末に扱うとなんとなく罰当たりな気がするので、厄払いの祈祷はお願いしませんでした」と言う。

おしゃれな神棚がいま熱い

そんななか、おしゃれな神棚が登場し、新しい風を吹かせている。シンプルでありながらも品があってコンパクト。カフェ風インテリアや北欧スタイルの暮らしにもマッチする。

この神棚を手掛けるのは静岡県にある静岡木工。もともと伝統的な神棚を作ってきたがその数は減るばかり。何とかしなければと、スタイリッシュな壁掛けタイプの「モダン神棚」を生みだした。テレビなどでも取り上げられ、最近は楽天の神棚部門1位をキープしている。

お札が隠れるタイプや板に立てかけるタイプなどさまざまな種類があり、特に人気なのが地元のデザイナーと考えた「かみさまのたな」シリーズ。シンプルで丸いフォルム、ひのきの上品さ、温かみのあるデザインで、インテリアにこだわるアラフォー女性を中心に人気だという。

神社も新しいカタチを歓迎

地元の神社も、新しい神棚を歓迎している。1400年以上の歴史がある静岡県の小國神社。2016年4月末から10日間、モダン神棚を紹介する「小國神社と人と暮らしとかみのたな展」を境内で開いた。

伝統を守りつつ時代に合った新しい神棚とのかかわり方を提案し、一般の人だけでなく他の神社からも注目された。予想をはるかに上回る延べ3500人が訪れ、40代の女性は「家に神棚はないですが、これなら身近に感じます」と真剣に見入っていた。

暮らしの中の「心の拠り所」

最近は盛り塩や御朱印帳なども見直され、神社ブームともいわれる。モダン神棚が人気なのは、単におしゃれで取り入れやすいからだけではないかもしれない。

「お札はすべて神棚にあげていますし、子どもが何か賞をもらったときとか、『神様ありがとう』みたいなものは全部、一度は神棚に報告します」(40歳女性)という家庭もある。「自分の仕事がうまくいくよう願掛けすることもありますし、旅行の前も無事に戻れるようお願いします。わが家にとっては心の拠り所です」

小國神社の打田雅臣さんは、「日本は高度経済成長を経験していったん落ち着き、日本人の心が内なる方へ向いてきたのかもしれません。精神の核を求めているのではないでしょうか」と言う。

30~40代といえば子育てや仕事、介護などで責任を背負っていく世代。何かの目標に向かっているとき、誰かの無事を祈るとき、子どもに大切なことを伝えたいとき……日々の暮らしの中で心の拠り所を求めているのかもしれない。

「忙しくて神棚をきちんとお世話できないかもしれないと不安に思う方もいらっしゃいますが、生活スタイルに合わせて無理なくできることをしてくだされば十分です」と打田さん。“おしゃれな神棚”という存在が、私たちの暮らしに新しい風を吹かせつつある。

■神棚の設置場所

家族が集う場所、目線より高い位置が基本。方角は北を背にした南向きがいちばんよいが、東向きでもOK。住宅事情によって難しい場合は明るい場所であれば可。

■お神札(おふだ)のまつり方〈神棚の幅や形によって異なる〉

  • 伊勢神宮のお神札(神宮大麻)を中央、向かって右側に氏神神社(地域の神社)、左側に崇敬神社(信仰する神社)のお神札をまつる。または、手前から伊勢神宮、氏神神社、崇敬神社の順に重ねる。
  • 御祈祷のお神札(厄払い、安産、お宮参りなど)は神棚の横に右、左の順で置く。

■お神札・お守りの納め方
翌年の初詣の際にご祈祷を受けた神社へ納める。ただし、「持っていたい」という人は必ずしも納めなくてもよい。

  • この記事をシェア
トップへ戻る